アナエロビックファーメーテーション
コーヒーの精製処理方法として近年話題になっているアナエロビック・ファーメンテーション(アナエロビコ)ですが、どのような特徴があるのでしょうか。またどういった精製方法なのでしょうか。
アナエロビック・ファーメンテーション(アナエロビコ)とは、コーヒーの嫌気性発酵(けんきせいはっこう)を介した精製処理方法を指します。嫌気性発酵とは、酸素に触れない状態で活動することができる微生物の働きで発酵を行う方法です。
通常行われるコーヒーの発酵プロセスは、ウォッシュトでは発酵槽の中で外気に直接触れる状態で行われ、ナチュラルでは天日干しの際に外気に触れることで行われます。
このように、通常の発酵プロセスは、酸素に触れることで活動することができる微生物の働きで発酵をさせる好気性発酵が主流でした。
好気性発酵と嫌気性発酵
発酵プロセスで微生物が有機物(コーヒーチェリー)を分解して生成された物質が、コーヒーのフレーバーを生み出すもとの一つです。
好気性発酵(こうきせいはっこう)での微生物は酸素を好むため、その『酸素』を含む外気に触れさせない発酵をおこなうのが嫌気性発酵です。
コーヒーの嫌気性発酵では、果肉が付いたままのコーヒーチェリー、またはミューシレージ付きの状態で、発酵時のガスを逃がす逆止弁の付いた密閉容器に移され発酵がおこなわれます。
発酵時のガスで密閉容器の中の空気(酸素)が外に出され、容器内は酸素のない環境で活発に活動する微生物によって発酵が進むため、これまでの好気性発酵では成し得なかったフレーバーが生み出されます。
この嫌気性発酵のプロセスを介してウォッシュト、またはナチュラルでコーヒー豆を取り出します。
このように、コーヒーの生産処理で嫌気性発酵をおこなうことでアナエロビックは発酵感のある強いフレーバーを生み出すことが可能になりました。
近年はささらなる精製方法が研究されアナエロビックの方法も多様となっています。
ダブルアナエロビック
ダブルアナエロビック・ファーメンテーションは、嫌気性発酵を果肉のついた状態で行った後、果肉を取り除き、ミューシレージの付いたパーチメントの状態で再び嫌気性発酵をおこなうプロセスを介した精製処理方法です。
言葉の通り、二度にわたり嫌気性発酵を行う方法です。2度の発酵で質感の良いマウスフィールを生み出すことができると言われています。
カーボニックマセレーション
ワインの醸造プロセスから発想を得た、日本語で言う炭酸ガス浸漬法です。
コーヒーチェリーをパルピング後(果実の皮を剥がす工程のこと)密閉容器にコーヒー豆を入れてCO2を注入することで、嫌気性発酵を行う方法です。
CO2を充填させることで一貫性のある発酵環境ができ、より豊かなフレーバーを生み出すのが狙いです。
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