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コーヒー発祥の地エチオピアコーヒーの特徴


コーヒー発祥の地エチオピアコーヒーの特徴 

コーヒー好きの方にはコーヒーの中でも特にエチオピアのコーヒーが好きという方が多くいらっしゃるかと思います。芳醇な香り、スッキリとした味わい、甘みなどエチオピアコーヒーには人を魅了する多くの要因があります。そんなエチオピアのコーヒーがどのようなコーヒーなのか深堀りしていきましょう。

 

そもそもエチオピアとは?

 

アフリカの北東部に位置する内陸国。イタリア領となった1936年からの5年間を除いて植民地化されることなく、独立を保ってきました。干ばつによる農業生産の落ち込みや、エリトリアやソマリアからの難民に加え、南北スーダンの軍事衝突による避難民が大量にエチオピア国内に流入し続け、経済に打撃を与えています。そのような中でも政府は国家開発計画を策定し、近年では経済成長が続いていますが、一人当たりのGNIは790米ドルと最貧国の水準にとどまっており、慢性的に食料が不足しています。
コーヒー豆の生産地として知られているエチオピアでは、日本の茶道のように、コーヒーを入れて客をおもてなしする作法があります。英語では「コーヒーセレモニー」と呼ばれています。

 

コーヒーの実発見?

伝説は2種類

1つ目は、「コーヒーの実を山羊が食べて興奮しているのを見つけた山羊飼いが自分も食べてみたら精気がみなぎってくるのを感じ、近くの修道僧たちにすすめたところ、彼らは長年悩んでいた儀式中の睡魔から救われた」というものです。

2つ目は、「無実の罪で追放された回教徒が、小鳥がついばんでいる実を見つけ食べてみたところ、やはり活力が沸くのを感じ、やがてはその煮出し汁で病人を救った功績により罪を解かれた」というもの。

 

エチオピアコーヒーの生産地

 

シダモ(標高1,400〜2,200m)

エチオピア南部。最高品質のコーヒーを生産する一大生産地。
シダマという民族にちなんで名付けられた地名。
イルガチェフェを含む地域だが、一般的にイルガチェフェは別枠扱い。

近年はシダモのなかでも特にグジ地区が注目されている。
イルガチェフェ以上のポテンシャルを持つ豆が生産され、この国の主役級の扱いに。
柑橘系やベリー系のフルーティな風味が特徴。

イルガチェフェ(標高1,750〜2,200m)

世界的にブランド化した地域。シダモ地方のなかのひとつの地区(郡にあたる)。
農園ではなく、ウォッシングステーションまでしかトレーサビリティで辿れないが、その風味・個性は強烈。

柑橘類、ピーチ、リンゴ、アプリコット、アールグレイ、ベリー、ナッツなど、イルガチェフェの中でも、風味の違いは幅が広く、品質もピンキリ。

リム(標高1,400〜2,200m)

エチオピア西部。シダモ地方に比べると風味にパンチが無いが、高標高で生産されたものの中には、良い風味を持つものもある。
カカオやチョコレート系のフレーバー。

ジマ(標高1,400〜2,000m)

エチオピア南西部。生産量が多いが、他の地域に比べると注目はされていない。
品質が高くコスパも良いが、風味の面白さに欠ける。

レケンプティ(標高1,500〜2,100m)

エチオピア西部ウォレガ地方。独特の華やかな酸味を持つこちらの地方の豆は、「レケ」と呼ばれて古くからマタリと並んで親しまれてきた。
野生に近い状態で生産され、豆の品質にバラツキがある。

ハラール(標高1,500〜2,100m)

エチオピア東部、ハラリ州の州都。世界遺産都市「ハラール・ジュゴル」がある。
近郊のハラール高原で生産され、高い標高と火山灰土壌、豊富な日射量によって高品質なコーヒーの生産を可能にしている。

コーヒーはモカハラーと呼ばれ、長い形状のロングベリーで昔からエチオピアでは最高品質の豆とされてきた。
なかでも、大粒の豆のみを選別したボールドグレインが最高級グレード。

 

エチオピアコーヒーの特徴

 

エチオピア産のコーヒー豆である「シダモ」「イルガチェフェ」などには総じて同じ特徴が挙げられます。 それはやはり「甘み」と「フルーティーな香り」です。 コーヒーというと苦みと酸味で区別されることが多いですが、エチオピア産のコーヒー豆は爽やかな味と香りが特徴なのです。またそれらは時に「ワイン」や「スパイス」のようだとも例えられます。

 

エチオピアのコーヒーセレモニー

カリオモン

 

カリオモンとは、日本で例えると茶道のような習慣のこと。お客様をおもてなしする時に、女性が執り行うセレモニーです。カリオモンには「コーヒーを一緒に楽しむ仲間」という意味があり、ポットやカップなど、カリオモンで使う茶器は、代々受け継がれることもあるようです。

 

カリオモンの手順

 

お客様が来たら、まず家の主人がお客様の相手をします。奥様はその間にカリオモンの準備を。床に花を敷き、コーヒーカップを置く台座を用意して、お香を焚きます。

カリオモンの準備ができたら、生豆を洗い、お客様をおもてなしします。洗った生豆を鍋に入れ生豆を煎り、お客様に香りを楽しんでもらいます。しっかりと焙煎でき、コーヒーオイルが滲み出てきたら焙煎は完了です。焙煎を終えたら、コーヒー豆をすり潰します。

ポットに水と細かくすり潰したコーヒー粉を入れ、火にかけてコーヒーを抽出します。コーヒーが沸騰したら、お客様にコーヒーを3杯提供します。1杯目はアボルといい、砂糖をくわえて飲みます。2杯目のトーナには塩を、3杯目にはカルダモンやクローブなどの香辛料、バターなどをくわえます。お客様は3杯飲み終えた後、作ってくれた女性のこととコーヒーの味を褒めるのがカリオモンのマナーです。

カリオモンは大地や家族に感謝の気持ちを込めて行うコーヒーセレモニー。カリオモンは地域や家庭によって、やり方が違うこともあります。

 

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