コーヒーは育てるのが非常に難しい植物で、世界でも「コーヒーベルト」と呼ばれる赤道付近のエリアでしか栽培されていません。コーヒーをうまく育てるためには、以下の4つの条件を満たした環境である必要があります。
・土壌
コーヒーの木を育てるには、水はけがよく、土質がやや酸性で、肥沃な土壌であることが求められます。コーヒーの木にとっての肥沃な土壌とは、窒素・リン酸・カリウムを適度に含んだ土壌のことで、窒素は木の成長、リン酸はコーヒーの花と実、カリウムは根の成長にそれぞれ影響します。特に火山灰質の土壌にはそれらの成分が豊富に含まれているため、最も適していると言われています。
・温度
コーヒーの木は寒さに弱く気温が5度以下の状態が続くと枯れてしまうため、平均気温は20度前後である必要があります。そのうえ、昼夜の気温差は激しい地域が望ましいとされています。なので、コーヒーの産地に行ったことのある人は、日本よりも暮らしやすく快適な場所だったと言う人が多くいます。
・降水量
コーヒーの木を育てるには雨が降る地域であることも大切で、年間に必要な降水量は1500mm〜2500mmほどと言われています。日本の降水量は年間1700mmほどのため、日本よりもやや多く雨が降る地域でなければなりません。さらに、コーヒーを収穫する時期には乾燥している必要があるため、雨季だけでなく乾季も一定の期間存在する地域でしか育てられないのです。
・日照の量
コーヒーの木は日光を好むので、太陽の光が一定量必要です。しかし、太陽の光を浴びすぎると葉が焼けて枯れてしまいます。そのため、コーヒーの産地では真横に背の高い木(シェイドツリー)を植えることによって、コーヒーの木が浴びる日照量を調整しています。これらの事から、コーヒーは非常にデリケートな植物であることがわかります。