焙煎機は大きく分けて、直火式、半熱風式、熱風式の3つに分類されます。各形式によって生まれる味や風味は異なりますが、それらは焙煎を行う人の技術によっても大きく変わってきます。
・直火式焙煎機
生豆に火を直接当てて焙煎する焙煎機です。豆を入れる回転ドラムの胴体はパンチングメタルとなっていて、たくさんの穴が空いています。そこから入り込む熱風やドラムからの伝導熱などによって、生豆が焙煎されます。
直火式焙煎機は、パンチングメタルを通じて炎や熱風を直接豆に当てて焙煎できるのが特徴です。熱源の温度は1500℃近くにもなり、豆への熱供給が極端になりやすいですが、それによって独特の香りと味わいを作りだすことができます。
・半熱風式焙煎機
熱源の距離が直下式とほとんど同じですが、回転ドラムの胴体が鉄板でできている焙煎機です。酸味やクリーンさのある味わいに仕上げやすく、高品質なコーヒーには多く使われています。
ドラムからの伝導熱が他の焙煎機よりも多く豆に伝わるので、伝導熱の調整によって焙煎の幅に広がりが生まれるのが特徴です。自分好みの味に近づけやすいのも半熱風式の魅力です。
・熱風式焙煎機
回転ドラムから切り離された熱源から、ドラム内に熱風を送り込んで焙煎する焙煎機です。直火式や半熱風式に比べると伝導熱による影響は少なく、熱風の温度・風量によって仕上がりを調整します。
扱いやすく仕上がりも安定しているので生産効率が高く、規模の大きい焙煎業者が多く採用しています。また、熱風を当てる時間を幅広く調整できるので焙煎の自由度が高いことから、スペシャリティコーヒーの焙煎に使われることも多くなってきています。