・焙煎とは
焙煎(ロースト)とは、生豆の状態のコーヒーを煎る作業のことを言います。焙煎はコーヒーの美味しさを決める重要な工程で、加熱時間や熱の加え方によってその味は大きく変わってきます。
・焙煎で起こるコーヒー豆の変化
コーヒー豆の焙煎は火を通す時間によって、浅煎り、中煎り、深煎りの3つに分けられます。生豆は煎るほど徐々に茶色くなっていき、そこからさらに黒く変化していくのですが、この時コーヒー豆には3つの化学反応が起きています。
一つはメイラード反応といい、旨みや香ばしさの元となる物質はこの反応によって生まれます。食べ物を焼いて食べる時に、いい香りだ、香ばしくて美味しいな、と感じるのは、この反応が要因となっています。
二つ目はカラメル化といって、甘い香りや独特の苦味をもつ物質を生み出す反応です。この反応を利用した商品として、べっこう飴やキャラメルなどがあります。
そして三つ目に起きているのが、分解という反応です。生豆に含まれる一部の成分は、加熱することによって酸味のある物質に分解されます。
焙煎が浅いほど分解によって生み出された酸味が強く表れますが、より長く焙煎することによって、徐々にメイラード反応による香ばしさや、カラメル化による苦味が増していきます。このように、反応を利用することで様々なコーヒーの風味や特徴を生み出すことが可能になるのです。