生産処理には大きく分けて、水洗式のウォッシュドと呼ばれるものと、非水洗式のアン・ウォッシュドと呼ばれるものがあります。また、近年では他にもパルプドナチュラル、ハニーなど、様々な生産処理の方法が存在します。
<各種生産処理(精製方法)の説明>
・ウォッシュド
パルパーという機械を使ってコーヒーの実の皮とパルプ質を剥ぎ、半日から1日ほど水に漬けます。そのまま自然醗酵させた後に、水で洗うことで豆の粘液質(ミューシレージ)を取り除く方法です。その後、天日乾燥や機械乾燥を経て、生豆に薄い殻一枚がついたパーチメントコーヒーが完成します。
くせのない酸味が特長的なコーヒーになり、世界中のほとんどの国でこの方法が用いられています。
・アンウォッシュド
コーヒーの実を収穫した後、そのまま乾燥させる方法です。ウォッシュドに比べると工程はシンプルですが、乾燥させる日数が長くなります。乾燥したあとは脱穀して、コーヒー豆が取り出されます。
独特の甘みと香りを持つコーヒーになり、ブラジルやイエメン、エチオピアなどで用いられています。
・パルプドナチュラル
パルパーを使ってコーヒー豆の皮とパルプ質を剥いだ後、水に漬けずそのまま乾燥させる方法です。ウォッシュドと比べて甘みのあるコーヒーになるのですが、中米ではミューシレージをミエル、蜂蜜(ハニー)をミエルと呼ばれることから、パルプドナチュラルのことをハニーコーヒーと呼ぶ人々もいます。
また、ミューシレ―ジを全て残したまま乾燥させる方法が「レッドハニーコーヒー」と呼ばれたり、機械でミューシレ―ジをある程度取り除いてから乾燥させる方法は「イエローハニーコーヒー」と呼ばれることもあります。