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コーヒー店の店舗デザイン
― 歴史と進化、そして現代のスタイル ―
コーヒーは世界中で愛される飲み物であり、同時にその提供空間である「コーヒー店」もまた時代や文化を映し出す存在です。店舗デザインは単なる装飾ではなく、人々がコーヒーを楽しむ体験を形づくってきました。ここでは、コーヒー店のデザインの歴史と変遷をたどりながら、現代に至る流れをご紹介します。
17世紀:ヨーロッパのコーヒーハウス
コーヒー店のデザインの起源は、17世紀のイギリス・ロンドンやフランス・パリにさかのぼります。当時の「コーヒーハウス」は木製の家具と暖炉を備えた社交空間であり、政治や文化の議論の場として機能しました。豪華さよりも「人が集まりやすい場」であることが重視されたのが特徴です。
19世紀:ウィーンのカフェ文化
19世紀には、オーストリアのウィーンが「カフェ文化」の中心地となります。シャンデリアや大理石のテーブルを備えた豪奢なデザインは、芸術家や知識人が集まる空間を演出しました。ここでの店舗デザインは「長居できる快適さ」と「文化的な格式」を両立しており、現代のカフェデザインの原点となっています。
20世紀前半:アメリカのダイナーとモダニズム
20世紀に入ると、アメリカでは大量生産・大量消費の時代に合わせ、ダイナー形式のカフェが登場。ステンレスやクロム素材を使った直線的なデザインが特徴で、スピードと効率性を意識した空間が広がりました。同時期、ヨーロッパではバウハウスなどのモダニズム建築がカフェにも影響を与え、シンプルで機能的なデザインが主流となりました。
戦後〜昭和期の日本:純喫茶の時代
日本では戦後から昭和にかけて「純喫茶」が全国に広がりました。重厚な木製家具、ステンドグラス、赤いビロードのソファなど、独自のデザイン要素が加わり、独特の落ち着きを持つ空間が確立されます。純喫茶はコーヒーを楽しむ場であると同時に、学生や文化人が集う社交場でもありました。
21世紀:スペシャルティコーヒーとミニマルデザイン
2000年代以降、世界的にスペシャルティコーヒーが広がると、店舗デザインも大きく変化しました。
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ミニマルデザイン:白やグレーを基調に、シンプルで清潔感のある内装
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素材感の強調:木材・石材・コンクリートなどを活かし、自然と調和した空間
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ラボ的要素:焙煎機や抽出器具を見せることで、透明性と職人性をアピール
こうしたデザインは「ただのカフェ」ではなく、「体験の場」としての価値を高めています。
現代日本の新しいデザイン:和とコーヒーの融合
現代の日本では、和の要素を取り入れたコーヒー店のデザインが注目されています。畳や障子、盆栽といった日本的なモチーフを現代的に再構築し、海外にはない独自のスタイルを提示。これは日本の文化を世界に発信する新しい形として高く評価されています。
その代表例が BONGENCOFFEE です。銀座店では盆栽を中心に据え、和の静寂を感じさせる空間デザインを展開。日本橋店では、おにぎりや和菓子とのペアリングを意識した「生活に寄り添う和の空間」を表現しています。
パッケージやロゴデザインも、和紙や箔押しなど日本的な素材を活かしながらモダンに仕上げられており、まさに「和と洋の融合」を体現するデザインです。
まとめ
コーヒー店の店舗デザインは、時代や文化を映す鏡のような存在です。ヨーロッパのコーヒーハウス、ウィーンのカフェ、アメリカのダイナー、日本の純喫茶、そして現代のスペシャルティカフェへと進化してきました。
その流れの中で BONGENCOFFEE は、日本独自の美意識を反映させたデザインで新しい価値を提示しています。コーヒーの味わいと同じように、空間そのものもまた特別な体験を生み出すのです。
👉 BONGENCOFFEE | OFFICIAL SITE
https://ginza-bongen.jp/