スマトラ式の大きな特徴は「水分を含んだ状態の豆を脱殻すること」にあります。以下にその手順を紹介します。
1. 収穫と果肉除去
完熟したチェリー(コーヒーの実)を収穫し、果肉を取り除きます(パルピング)。ここまでは水洗式などと同様の処理です。
2. 簡易発酵と水洗
果肉除去後、豆の表面にミューシレージと呼ばれる粘質物が残ります。スマトラ式ではこの状態で、短時間(半日〜1日程度)袋などに入れて簡単に発酵させたあと、水で軽く洗い流します。
3. 湿った状態で脱殻(ギリン・バサ)
この段階で豆の含水率は約40〜50%とかなり高く、通常であれば乾燥させてから脱殻するところを、スマトラ式ではこの湿った状態で脱穀作業を行います。これが、他の精製法にはないユニークな工程です。
4. 乾燥工程
脱殻されたグリーンビーンズ(生豆)は、地面やアフリカンベッドなどに広げて天日で乾燥させます。天候に大きく左右されるため、見た目や風味に農家ごとの個性が出やすくなります。