読み物

2025.03.18

コーヒーの挽き方

コーヒーの挽き方

自宅でおいしいコーヒーを楽しみたいなら、粉ではなく豆のまま購入するのがおすすめ。でも、豆で買った場合は「どうやって挽くの?」「どんな挽き方が正解?」と迷ってしまうかもしれません。

挽く作業には道具が必要ですし、粒の大きさによって味わいも変わるので、最初は少し戸惑うことも。でも、ポイントさえ押さえれば、よりおいしいコーヒーが淹れられるようになります。ここでは、コーヒー豆を挽く理由や、挽き方による味の違いについてご紹介します。

コーヒー豆を購入し、自宅で挽くことのメリット

「いずれ粉にするなら、最初から粉で買ったほうが楽なのでは?」と思うかもしれません。でも、豆のまま購入し、いれる直前に挽くことで得られるメリットもたくさんあります。

香りが豊かになる

コーヒーの香りは、豆の表面から少しずつ抜けていきます。粉にすると表面積が増えるため、香りの成分がより早く揮発してしまうのです。そのため、いれる直前に挽いたほうが、よりフレッシュで豊かな香りを楽しめます。

保存期間が長くなる

豆のまま保存することで、香りの成分が失われにくくなり、おいしく飲める期間を長く保つことができます。お店によって表記に多少の違いはありますが、未開封の状態での賞味期限は豆なら2カ月、粉なら1カ月と設定されています。これは、粉にすると香りが抜けやすくなるためです。一方で、「長期間保存すると豆が酸化してしまうのでは?」と気にされる方もいるかもしれません。しかし、冷暗所で適切に保存すれば、実際にはそれほど酸化は進みません。というのも、コーヒー豆には酸化しにくい成分が多く含まれているためです。それでも、長く保存した豆でいれたコーヒーの風味が落ちたように感じるのは、酸化よりも香りの成分が抜けてしまうことが主な原因です。

コーヒー豆を挽いた時の香り「フレグランス」

コーヒーの香りを楽しめるのは、いれているときや飲んでいるときだけではありません。実は、豆を挽く瞬間にも特別な香りを楽しめるのです。焙煎されたコーヒー豆には、たくさんの小さな孔(あな)があり、その中に香りの成分が詰まっています。豆を挽くことで細かく砕かれ、閉じ込められていた香りが一気に解き放たれます。この挽きたての香りは「フレグランス」と呼ばれ、コーヒーの魅力のひとつです。粉の状態で販売されているコーヒーでは、すでに多くの香りが失われてしまっています。そのため、豆から挽いたときに広がる豊かな香りは、挽きたてならではの特別な楽しみ。コーヒーをより深く味わうために、ぜひ豆を挽く瞬間の香りも楽しんでみてください。

挽き方(粒の大きさ)で変わる味の違い

コーヒーの味は、焙煎度や抽出方法だけでなく、挽き方(粒の大きさ)によっても大きく変わります。

酸味と苦味のバランスに影響する

コーヒーの味の特徴である酸味と苦味は、抽出のスピードによって異なります。酸味の成分は水(お湯)に溶けやすく、短時間で抽出されるのに対し、苦味の成分はゆっくりと溶け出します。そのため、挽き方によって味のバランスが変わります。

  • 粗挽き:酸味が際立ち、すっきりとした味わい
  • 中挽き:酸味と苦味のバランスが良く、飲みやすい
  • 細挽き:苦味とコクが強く、しっかりした味わい

挽き目の調整で味を変えられる

同じコーヒー豆でも、挽き方を変えることで味わいに違いが生まれます。

粗挽きにすると、すっきりとした軽やかな味わいになります。フレンチプレスやネルドリップのような、長時間水(お湯)に浸して成分を抽出する方法に適しています。酸味が引き立ち、まろやかな風味が楽しめるのが特徴です。

中挽きは、酸味と苦味のバランスが良く、クセのない味わいになります。ペーパードリップに適しており、多くの人にとって飲みやすい仕上がりになります。まずはこの挽き方から試し、好みに合わせて微調整するのもおすすめです。

細挽きにすると、コクが増し、しっかりとした苦味が際立ちます。エスプレッソやモカポットなど、短時間で高圧をかけて抽出する方法に向いています。濃厚な味わいを楽しみたい方にぴったりです。

酸味をしっかり感じたいなら粗挽き、バランスを重視するなら中挽き、しっかりとした苦味やコクを求めるなら細挽きがおすすめです。自分の好みに合わせて、挽き目を調整してみてください。

まとめ

  • コーヒー豆は、いれる直前に挽くのがベスト。
  • 豆のまま保存すると、香りや風味が長持ちする。
  • 挽き方を変えると、酸味と苦味のバランスが調整できる。
  • 粗挽きはすっきり、細挽きは濃厚な味わいになる。

コーヒーは、挽き方ひとつで味わいが大きく変わります。自分の好みに合った挽き方を見つけて、おいしいコーヒーを楽しんでください!